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お知らせ

Paxlovidの特例承認に関するお知らせ

日本救急医学会 学会員の皆様

平素よりお世話になっております。
Paxlovidの特例承認につきまして、重要な注意点がございますので、周知させて頂きます。

11日未明に厚生労働省からプレス情報(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23815.html)に引き続き正式な通達(https://www.mhlw.go.jp/content/11123000/000895921.pdf)が出されました。 効能効果に関しては“1. 臨床試験における主な投与経験を踏まえ、SARS-CoV-2による感染症の重症化リスク因子を有する等、本剤の投与が必要と考えられる患者に投与すること。また、本剤の投与対象については最新のガイドラインも参考にすること。2 重症度の高いSARS-CoV-2による感染症患者に対する有効性は確立していない”とのコメントが添付文書に付けられております。
最新のガイドラインは厚生労働省から示されますが、日本感染症学会から“COVID-19に対する薬物治療の考え方 第13版”を10日付けで出しております
https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_drug_220210.pdf)ので処方される際のご参考にして頂ければと存じます。7ページ以下にPaxlovidに関する詳しい記述がございます。

先にも連絡した通り、Paxlovid(nirmatrelvir錠/リトナビル錠併用)は、リトナビルでCYP3Aにおける薬物代謝を阻害して薬剤の血中濃度を保つ薬剤であるため、CYP3Aで代謝される薬剤の血中濃度をほとんどの場合で上昇させます。カルシウム拮抗剤・スタチンなどが代表ですが、精神安定剤など多くの薬が影響を受けます。このため添付文書でも細かな併用禁忌・注意が設定されております。また、中等度の腎機能低下(eGFR 30mL/min以上60mL/min未満)では用量調整が必要となります。
こうした点に関する自治体への通達も10日に遡って発出されました
(ホームページ:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
通達:https://www.mhlw.go.jp/content/000896601.pdf)。

適正使用につきまして、ご留意のほど、お願い申し上げます。

令和4年2月14日
日本救急医学会