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お知らせ

新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染症への対応について (2020年2月9日版)

2020年2月10日

新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染症への対応について (2020年2月9日版)

一般社団法人日本救急医学会  代表理事 嶋津岳士
同 救急外来部門における感染対策検討委員会  委員長 佐々木淳一

日本救急医学会会員の皆様へ

新型コロナウイルス感染症(2019-nCoV)対応で,多くの方々が尽力されていることと拝察いたします.当初は確認されていなかった「人から人への感染」が起こることも確認され,全世界で感染確定例が37,000名,死亡例が800名を超えており,その増加の勢いは衰えていません.国内では,8日午後0時の時点で横浜港において検疫中のクルーズ船発生例を含め診断確定例89名となっています. 刻々と状況が変化する中,新型コロナウイルス感染症の「臨床的特徴」や「感染が疑われる患者の要件」について,厚生労働省発出の文書などで適時アップデートが行われ,「武漢・湖北省」という地域が限定された形で,感染者を特定し接触者追跡を行って封じ込めを図ろうとしています.現時点で新型コロナウイルス感染症は日本国内で蔓延している状況ではありませんが,同じコロナウイルスのSARS重症急性呼吸器症候群・MERS中東呼吸器症候群などと比較して軽症者が多いため,封じ込めができずに感染拡大する(している)であろうとの見方もあります.
日本救急医学会の常置委員会である「救急外来部門における感染対策検討委員会」は,本学会が中心となり,日本感染症学会,日本環境感染学会,日本臨床救急医学会,日本臨床微生物学会の5学会連携で,救急外来部門における感染対策について検討する合同ワーキンググループを組織しています.この連携を活かし,会員の皆様には必要な状況を提供して参ります.多くの情報が得られつつある一方で,感染源,感染経路,感染のしやすさ,重症度など,十分に明らかにされていません.状況は刻々と変化していきますので,正確な情報を得ることが大切です.
日本感染症学会と日本環境感染学会は,「一般診療として患者を診られる方々へ:新型コロナウイルス感染症に対する診療の在り方について―インフルエンザに準じた診療への移行―(2020年2月3日現在)」を発表しています.その骨子は,以下の6つです.
  1. 通常のインフルエンザ診療に準じた対応が求められています
  2. 新型コロナウイルスの遺伝子変異は起きていませんでした
  3. 中国における死亡数の増加に関して引き続き検討が行われています
  4. 免疫不全宿主,高齢者を守る対策が必要になります
  5. 感染対策の基本は標準予防策+飛沫・接触感染予防策です
  6. 特別な治療法はなく,2次性の細菌性肺炎の合併に注意しなければなりません
特に,5の「感染対策の基本は標準予防策+飛沫・接触感染予防策です」について,その内容を転記しておきます.“コロナウイルスは,新型コロナウイルスを含めて飛沫感染により伝播します.現時点では空気感染の可能性はきわめて低いと考えられます.したがって,外来での対応は通常のインフルエンザ疑い患者への対応に準じて標準予防策,飛沫予防策・接触予防策の徹底が基本となります.ウイルスで汚染した手指を介して目・口の粘膜から感染が伝播される可能性にも注意しなければなりません.手指衛生の徹底は感染対策の基本です.患者および医療スタッフが飛沫を直接浴びないように,サージカルマスクやガウンを着用して診療にあたることになります.正しいマスクの着脱,適切な手洗いが重要であることは言うまでもありません.気管吸引,挿管などのエアロゾル発生のリスクが高い処置を行う場合には,一時的に空気感染のリスクが生じると考えられているため,N95マスクを含めた対応も必要となります.”
また,救急医療に従事する医療関係者として,日常的にスタンダードプリコーションを徹底し,社会人としては「手指衛生と咳エチケット」,患者からの感染を防ぐためには「特に診断がついていない呼吸器感染症に対して手指衛生とマスク着用」に努めて下さい.自分自身を守ることが,患者,同僚,自身の家族,病院・組織を守ることにつながります.
信頼性の高い新型コロナウイルス関連サイトへのリンクを以下に紹介致しますので,ご参照下さい.

新型コロナウイルス関連サイト

<国内の行政対応,発生状況,ガイドラインなど>
1.厚生労働省
新型コロナウイルスに係る厚生労働省電話相談窓口(コールセンター)の設置について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09151.html
中華人民共和国湖北省武漢市における新型コロナウイルス関連肺炎の発生について
target="_blank">https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

2.国立感染症研究所
新型コロナウイルス(2019-nCoV)関連情報ページ
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov.html
コロナウイルスに関する解説及び中国湖北省武漢市等で報告されている新型コロナウイルス関連肺炎に関連する情報
https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-idsc/2482-corona/9305-corona.html
中国湖北省武漢市で報告されている新型コロナウイルス関連肺炎に対する対応と院内感染対策
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9310-2019-ncov-1.html
新型コロナウイルス(Novel Coronavirus:nCoV)の患者の 退院及び退院後の経過観察に関する方針(案)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9314-ncov-200117-2.html

3.厚生労働省検疫所 FORTH
海外感染症発生状況
https://www.forth.go.jp/topics/fragment1.html

4.日本環境感染学会
新型コロナウイルス(2019−nCoV)感染症への対応について
http://www.kankyokansen.org/modules/news/index.php?content_id=328

5.日本感染症学会
新型コロナウイルス感染症
http://www.kansensho.or.jp/modules/topics/index.php?content_id=31

<海外の関連情報サイト>
1.世界保健機関(WHO)(英語)
Novel coronavirus (2019-nCoV)
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019

2.米国疾病予防管理センター(CDC)(英語)
2019 Novel Coronavirus
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-nCoV/index.html

3.欧州疾病予防管理センター(ECDC)(英語)
Novel coronavirus
https://www.ecdc.europa.eu/en/novel-coronavirus-china

4.香港衛生部健康予防センター(英語)
Severe Respiratory Disease associated with a Novel Infectious Agent
https://www.chp.gov.hk/en/features/102465.html

5.Johns Hopkins大学(英語)
新型コロナウイルスリアルタイム発生状況
https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6

<一般の方向け>
1.厚生労働省
新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html

2.東京都福祉保健局
医療機関受診のための多言語ガイドブック
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/tagengoguide.html