日本救急医学会・医学用語解説集

ホーム > 医学用語解説集 > 索引 >

医学用語 解説集

異化

外界から取り込んだ物質(食物)を分解し,より簡単な化合物に変えるとともにエネルギーを取り出す過程を異化という。同様に,生物体内にある複雑な物質(有機化合物)が,簡単な物質(無機化合物)に分解される過程も異化でその際にエネルギーを産生する。多発外傷,重症熱傷,敗血症など大きな生体侵襲が加わった際の急性期生体反応では副腎皮質ホルモンや炎症性サイトカイン等の過剰分泌がおこり,激しい代謝亢進状態となる。その結果,酸素消費量の増大,糖新生増大と耐糖能の低下,脂肪分解促進と遊離脂肪酸の増加,蛋白分解の亢進といった異化亢進状態となる。このような状態を治療するためには,侵襲を除く根本治療のほかに生体が必要とする十分なエネルギーの補給とインスリンを用いた積極的な血糖コントロールが重要である。

索引に戻る トップページへ