日本救急医学会・医学用語解説集

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アナフィラキシー

アナフィラキシーは,アレルゲン(抗原)に対する生体の暴露によって,マスト細胞や好塩基細胞からヒスタミン,プロスタグランディン,ロイコトリエン等の血管作動物質の遊離が惹起されることによって生じ,急性で生命にかかわる危険性のある即時型の過敏性アレルギー反応である。この反応にはIgEが関与している。上記の血管作動物質によって生じる病態として,血管透過性の亢進,血管拡張,呼吸筋の攣縮,自律神経系の刺激,粘膜の分泌亢進,血小板凝集反応,炎症細胞の血管内遊離等がおこり,その結果全身性に多彩な臨床症状を呈する。アナフィラキシーはどんなアレルゲンによってでも引きおこされる。最も一般的なアナフィラキシーは,薬物,昆虫刺傷,特定の食物やアレルゲン免疫療法注射等でおこる。なおアナフィラキシーは,アレルゲンに対する初めての接触で生じることはない。アナフィラキシーショックの初期治療はエピネフリン注射である。

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