日本救急医学会・医学用語解説集

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重症急性膵炎

重症急性膵炎は,膵臓の急性炎症を契機に膵臓や周囲の脂肪組織に出血や壊死をおこし,その炎症が全身に波及して肺,腎臓,肝臓などの重要臓器に障害をおこしたり,膵膿瘍等の重篤な感染症を合併することから,致命率の高い疾患である。重症急性膵炎の成因は頻度順に1位がアルコール性,2位が特発性,3位が胆石性となっている。重症急性膵炎の診断は,以下の予後因子(1)が1項目,あるいは予後因子(2)が2項目以上陽性のものとする。§予後因子(1):ショック,呼吸困難,神経症状,重症感染症,出血傾向,Ht≦30 %,, BE≦-3 mEq/l,BUN≧40 mg/dl (またはCr≧2.0 mg/dl) ,§予後因子(2): LDH≧700 IU/l,PaO2≦60 mmHg,Ca≦7.5 mg/dl, FBS≧200 mg/dl, TP≦6.0 g/dl,Plt≦10×104/mm3,PT≧15秒,CT grade ≧4  重症急性膵炎では,急性膵炎の一般的治療のほかに,早期から積極的に集中治療室管理を開始して以下の治療を考慮する必要がある。@蛋白分解酵素阻害薬・抗菌薬持続動注治療,A持続的血液濾過透析,B外科的治療,C原因の除去。

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