医学用語解説集
バルーンタンポナーデ
英語のタンポナーデはフランス語の tamponner(塞ぐ,詰める)に由来する言葉である。最初は,風船(バルーン)付きのカテーテルを経鼻的に食道から胃内に挿入し,風船を膨らますことにより食道および胃の出血している静脈瘤を圧迫して止血するために考案された方法である。この手技に用いるために作製された代表的なカテーテルをその開発者の名前を付けてセングスターケン・ブレイクモア・チューブ(Sengstaken-Blakemore tube)と呼んでいる。この方法は,食道・胃静脈瘤の治療だけでなく,銃創による肝臓穿通創からの出血を圧迫止血するために風船付きカテーテルを銃創部位に挿入し,風船を膨らますことにより止血するといった処置にも使用される。