日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

外傷後ストレス障害(PTSD)

強度の恐怖感,無力感をともなう体験,身体的危機に曝される体験などが心的外傷となり,その後に精神的あるいは生理学的な病的反応を引きおこす症候群。従来,うつ病などの解離性障害や境界型人格障害と診断されていた症例が含まれる。米国精神医学会では1980年のDSM-Vから不安障害の下位カテゴリーとして採用されている。米国ではベトナム帰還兵や,性的被虐待者などにみられる精神的・身体的障害が社会問題化し,PTSDの研究が進むきっかけとなった。過去に強いストレス体験があり,フラッシュバック(ストレス状況の再体験),再体験回避傾向(行動範囲の制限),覚醒亢進症状(悪夢,不眠,イライラ感など)が持続し,社会生活に支障をきたしている場合に本症と診断される。

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