日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

呼吸性アシドーシス

酸塩基平衡障害の一つで,肺胞低下換気により動脈血中二酸化炭素分圧(PaCO2)が上昇しておこるアシドーシスを指す。臨床所見から低換気が疑われ,動脈血ガス分析でpHの低下,PaCO2の上昇を認めることで診断される。原因として,@気管支喘息,肺気腫などの閉塞性肺障害,A脊髄損傷,神経筋疾患などによる呼吸筋麻痺,B麻酔薬・麻薬の過量投与,急性薬物中毒,脳血管障害などによる呼吸中枢抑制などがあげられる。呼吸性アシドーシスに対しては通常腎による代償メカニズムが働き,血中重炭酸の増加によりpHの低下が抑えられる(代謝性の代償)が,CO2の貯留が高度の場合や,腎機能障害のため代償機構が不十分な場合には重症化する。

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