日本救急医学会・医学用語解説集

ホーム > 医学用語解説集 > 索引 >

医学用語 解説集

気胸・血胸・血気胸

胸膜腔に気体が貯留した状態が気胸であり,肺表面のブラやブレブが自然に破裂することにより(自然気胸),あるいは外傷による肺の損傷よりおこる。肺や気道から胸膜腔への空気の漏れが一方弁のようになり,胸腔内圧が上昇し縦隔偏位をきたし静脈灌流を低下させてショックとなった状態を緊張性気胸という。血胸は,胸膜腔に血液が貯留した状態である。外傷や大動脈解離,胸部大動脈瘤の切迫破裂,医原性の出血などでおこる。治療にはチェストチューブによる胸腔ドレナージが行われるが,大量血胸時には開胸術が必要となる。血気胸は気胸と血胸が同時に存在した状態をいう。緊張性気胸,大量血胸,開放性気胸は,preventable trauma deathの原因となる,外傷の初期診療で見逃してはならない重要な病態である。

索引に戻る トップページへ