日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

縦隔偏位

縦隔は左右壁側胸膜で区分けされ,胸郭の正中に位置しているが,左右胸郭の内圧バランス変化により偏位することをいう。患側の圧上昇により縦隔が健側に偏位する病態として,気胸,血胸,胸水貯留,肺の過膨張などがあり,また,圧減少により患側に偏位する病態として,無気肺,外科的肺切除後などがある。緊張性気胸では著しい縦隔偏位をきたし,右心への静脈還流が阻害されて閉塞性ショックをきたす。緊急に胸腔ドレナージをおこなう。診断にあたっては胸部レントゲン撮影を待つことなく,血圧低下・胸郭の動き(患側では上昇したまま)・呼吸音の消失・打診で患側が鼓音などの理学所見をみる。

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