日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

急性肺傷害

American-European consensus conference on ARDSにおいて提唱された急性呼吸障害の一概念である(Am J Respir Crit Care Med 1994; 149: 818)。外傷・手術などの侵襲後12〜48時間に胸部X線写真上で両側肺浸潤陰影を呈し,PaO2/FiO2比が300以下を示す急性呼吸不全をさす。左心不全に起因するものは含まない。ALIのうち,PaO2/FiO2比が200以下の重症例をARDSという。侵襲により免疫担当細胞が活性化された結果,産生されたサイトカインなどが発生機序にかかわる。ALIの病態は,肺毛細血管内皮細胞・肺胞壁細胞障害による透過性亢進による肺水腫である。この間質性および肺胞性肺水腫と肺虚脱により,シャント効果,換気血流不均等,死腔換気率の増大により低酸素血症を呈する。

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