日本救急医学会・医学用語解説集

ホーム > 医学用語解説集 > 索引 >

医学用語 解説集

羽ばたき振戦

手関節を背屈させたまま手指と上肢を伸展させ,その姿勢を保持するように指示すると,「手関節及び中指関節が急激に掌屈し,同時に,元の位置に戻そうとして背屈する運動」が認められる。手関節や手指が速くゆれ,羽ばたいているようにみえるので,このように呼ばれる。固定姿勢保持困難(asterixis)な不随意運動(involuntary movement)の一種で,四肢を一定の位置に保つために収縮している筋肉が間欠的に緊張を失うために生じる。典型的なものは肝性昏睡早期に認められるが,尿毒症などの代謝疾患による脳症の初期や脳血管障害でも認められる。なお,肩関節を支点にして上肢全体が羽ばたくように大きく動く不随意運動は羽ばたき運動(wing beating)と呼ばれ,固定姿勢保持困難(asterixis)と同様の機序で生じる。

索引に戻る トップページへ