日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

縊首

一端を何かに固定した索状物を頸部に巻きつけて,自己の全体重(あるいは一部)をかけて,巻きつけた索状物で頸部を圧迫することをいう。これにより死亡することを縊死(いわゆる首吊り)という。索状物が前頸部で舌骨と甲状軟骨の間にかかり,左右対称に側頸部を後上方に上がって耳介後方を通り,身体が完全に宙に浮いて全体重が索状物にかかっている場合を定型的縊首,それ以外の総ての場合を非定型的縊首という。縊死の機序としては,@気道閉塞,A頸部血管の血流途絶,B頸部神経(頸動脈洞,迷走神経,など)の圧迫,C頸椎骨折・脱臼による頸髄損傷が関与していると考えられている。しかし,気管切開をして気管カニューレを入れた患者が縊死した事例がいくつか報告されていることから,気道閉塞よりも脳への血流停止のほうが主な機序であると考えられている。

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