日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

病院感染

入院患者および医療従事者が医療施設内で罹患した感染症。病院訪問者,患者,医療従事者が市中の感染症を持ち込み伝播する場合と,感染源が院内にあり患者または医療従事者を介して感染する場合とがある。メチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)感染症がその代表的なものであるが,最近多剤耐性緑膿菌やアシネトバクター感染症,バンコマイシン耐性腸球菌感染症(VRE)なども注目されている。耐性菌感染症と日和見感染症は病院感染に特徴的な感染症とされてきたが,近年市中感染型MRSA感染症も確認されている。病院感染対策として米国疾病管理予防センター(CDC)ガイドラインがわが国でも広く浸透している。CDCガイドラインは標準予防策(スタンダード・プレコーション)を基本とし感染経路別予防策を追加する2段階方式で構成されている。標準予防策は全ての医療従事者に適応され,湿性生体物質に接触したら手を洗う,それらに暴露のリスクがある場合は手袋,マスク,エプロンなどを着用することなどである。感染経路別予防策は空気感染,飛沫感染,接触感染の感染経路別の遮断対策である。

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