日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

間質性肺炎

何らかの原因により肺間質(狭義では肺胞隔壁と毛細血管の間,広義では小葉間間質,胸膜近傍を含む)を中心とした炎症をおこし,進行すると肺繊維化をおこすびまん性肺疾患の総称。原因として膠原病,マイコプラズマやウイルス感染,放射線,職業または環境(アスベストなど),薬剤(抗がん剤等)などがある。原因が特定できないものを特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonia; IIP)と称する。乾性咳嗽と労作時呼吸困難を主症状とし,聴診上ベルクロ様捻発音が聴かれる。進行するとチアノーゼ,肺性心,末梢性浮腫が認められ,低酸素血症,高炭酸ガス血症などの呼吸不全を呈する。胸部X線写真上,網状,小粒状,小〜大輪状(蜂巣肺)陰影が認められる。確定診断は肺生検によるが,近年病期,重症度診断における高分解能CTやKL-6,SP-A,SP-Dなどの血清マーカーの有用性が報告されている。治療は原因が明らかな場合は原因疾患に対する治療,特発性間質肺炎ではステロイド療法と在宅酸素療法などの対症療法が中心となる。

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