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医学用語解説集

エンドトキシン

グラム陰性桿菌の細胞壁の構成成分であるリポ多糖類(LPS)であり,さまざまな生物活性を有する物質。グラム陰性桿菌の死滅や破壊にともない,エンドトキシンが体内に侵入すると,単球・マクロファージの細胞膜レセプターであるCD14およびTLR (Toll-like receptor) -4によって認識される。その結果,シグナル伝達経路を経てNFkBが活性化され,TNF-α,IL-1,IL-6,やIL-8などのサイトカインのほか,アナンダマイド,2-AG,プロスタグランジンなどの炎症性メディエータが産生される。これらのメディエータの相互作用により血管内皮障害や血管透過性亢進,好中球や凝固系の活性化を惹起し,ショック(エンドトキシンショック)や多臓器不全を生じる。エンドトキシンショックに対する治療としてエンドトキシン吸着療法(PMX-DHP)がおこなわれている。