日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

電撃傷

体内に高電流が流れることによって生じる損傷をいう。電流によるジュール熱が深部組織を損傷する真性電撃傷と,衣服火災などによる電気火傷(熱傷)がある。真性電撃傷では体表面の創と重症度は必ずしも一致しない。

真性電撃傷:
電流斑(電流出入口部の潰瘍,炭化・凝固壊死)を形成することがあるが,電流出入口部の抵抗と接触面積により創の程度は異なるため重症度は創の大きさに一致しない。重症度は電流斑の位置から電流が通電した皮膚,心血管系,筋肉,腱などの損傷を推定し,胸部症状,麻痺,意識障害および心電図変化,不整脈などにより評価する。高電圧では筋の攣縮や墜落などにより頭部・胸腹部外傷,臓器損傷,脊椎・脊髄損傷,骨折,脱臼をおこすことがある。
電気火傷:
高電圧(約10万V)のアーク放電により瞬間的に高温(500〜2500℃)となり,電紋(シダの葉状のI度熱傷)を生じたり,衣服などに着火して広範囲熱傷をきたすことがある。

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