日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

門脈圧亢進症

何らかの原因で門脈圧が亢進した状態を指す。門脈圧は門脈血流量と肝内外(門脈と肝静脈)の血管抵抗によって規定されている。門脈圧の正常値は100〜150mmH2Oであり,これが常時200 mmH2O以上に上昇した場合を門脈圧亢進症としている。門脈圧亢進をきたす疾患は肝硬変が代表的で,そのほか特発性門脈圧亢進症,肝外門脈閉塞症,Budd-Chiari症候群などがある。臨床症状は脾機能亢進による血球減少,腹水,側副血行路の発達による静脈瘤,肝性脳症などである。治療は肝硬変に起因する場合には,食道静脈瘤等の合併症の治療(脾臓摘出,静脈瘤硬化療法など)がおこなわれる。一方,Budd-Chiari症候群や肝外門脈閉塞症に対しては手術療法がおこなわれる。

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