日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

高浸透圧非ケトン性昏睡

ケトアシドーシス性昏睡とともに,糖尿病の合併症として生ずる高血糖性昏睡の一病態で,高度の脱水と嘔吐,腹痛,昏睡などの症状を呈する。感染や手術,高カロリー輸液やステロイド,降圧利尿薬などが誘因となって発症することが多い。ケトアシドーシス性昏睡と比較して高齢者に多く,血液のpHや遊離脂肪酸はあまり変動せず,血中および尿中のケトン体は陰性か,あっても軽度陽性に留まる。NaCl,BUNは高値を示し,血清浸透圧は350mOsm/l以上,血糖は600〜1500mg/dlにまで達する。前駆症状に特徴的なものはなく,口渇,倦怠,悪心,嘔吐などで,昏睡のほか振戦や痙攣など多彩な神経症状を示す。治療は大量輸液(半生食や生食),インスリン投与,電解質補正(特にカリウム)などである。

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