日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

横紋筋融解症

骨格筋細胞の壊死,融解により筋細胞内成分が血液中に流出した状態をいう。この際,流出した大量のミオグロビンが尿細管を閉塞し,急性腎不全を併発することが多い。また,循環血液量減少にともなうショックや,高カリウム血症により突然の心停止をきたす危険がある。横紋筋融解症は外傷による筋区画症候群の他に,高脂血症治療薬やニューキノロン系薬剤による薬剤性のものなどが知られている。低リン血症,低カリウム血症,糖尿病性ケトアシドーシスなどの代謝障害や,悪性症候群,悪性高熱症は,二次的に横紋筋融解症を発症する可能性がある。自覚症状には四肢の脱力感,腫脹,しびれ,痛み,赤褐色尿(ミオグロビン尿)があり,これに腎不全症状として無尿,乏尿がみられることもある。検査所見としては,高カリウム血症,高ミオグロビン血症,CPK等の筋逸脱酵素の急激な上昇が認められる。早期大量輸液,高カリウム血症対策と尿アルカリ化,強制利尿が急性腎不全の治療およびその予防としておこなわれ,完成された腎不全に対しては血液浄化法をおこなう。

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