日本救急医学会・医学用語解説集

ホーム > 医学用語解説集 > 索引 >

医学用語 解説集

持続的血液濾過透析法

一般的に24時間以上持続的に血液濾過透析をおこなう血液浄化法をいう。血液濾過透析とは低分子から中分子の溶質除去を目的とし,血液濾過器(ヘモフィルター)内に透析液を流し限外濾過と同時に拡散による透析をおこなうもので,血液濾過(HF)より高率に溶質が除去できる。血液透析に用いる透析膜より膜孔径が大きい血液濾過器を用いることによって血液透析では除去できない中分子の溶質を除去できる。CHDF施行には中心静脈にFDL(flexible double lumen)カテーテルを留置し,専用のベッドサイドコンソールを用いて静脈―静脈での送返血回路を組むことにより体外循環血液量を少量化し,循環動態に与える影響を少なく血液浄化できるようになった。CHDFは循環動態の不安定な重症患者の腎補助療法や,うっ血性心不全などの体液過剰に対する治療法として利用されているだけでなく,肝不全に対しては肝性昏睡物質の持続的除去に有効であり,肝補助療法としても用いられている。さらに,ヘモフィルターの膜を選択したり血液浄化量を増加させることでサイトカインの除去が可能となり,臓器障害の発症予防や治療に有効であるとする見解もある。また,現在は保険適応上,重症急性膵炎,劇症肝不全に対し,腎不全を併発していなくても認められている。

索引に戻る トップページへ