日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

脱水

体内の水分量が正常以下になった状態をいう。血漿浸透圧により高張性,低張性,等張性脱水に分けられる。高張性脱水は高ナトリウム血症をともない,尿崩症にともなう意識障害,高温環境下における作業者などに発症し,低張性脱水はナトリウム欠乏が主であり,副腎皮質機能低下症,塩類喪失性腎炎などでみられ,等張性脱水は糖尿病やマンニトール投与後などの浸透圧利尿後に発症する。いずれの場合にも共通する身体所見は,皮膚や粘膜の乾燥,皮膚のturgorの低下(つまんだ時,なかなか元に戻らないこと),血圧の低下,頻脈,尿量の低下などで,検査成績ではヘマトクリット値の上昇,血清尿素窒素の上昇,尿比重の上昇などが認められる。脱水が高度となるとショックに陥る。治療は水分の経口的および非経口的投与が主となるが,重症例では後者すなわち輸液が重要である。バイタルサイン,尿量,尿比重,血清電解質,中心静脈圧,心電図,酸素飽和度,胸部レントゲンなどをモニターしながら補正していくことが重要である。

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