日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

オスモラリティー・ギャップ

血清浸透圧の実測値と予測値(計算値)の差をosmolality gap(OG)といい,血清中の実測不可能な外因性ないし内因性の溶質量を表す。通常下記の式により算出され,健常者では0〜10 mOsm/kg・H2Oである。外因性物質としてはマニトール,グリセオール,エタノールなどが代表的なものである。一方,通常の浸透圧計算値を下記の式により血清水分量で補正して(浸透圧予測値),これと実測浸透圧の差からOGをより精密に算出する方法もあり,これによって患者の重症度を評価する方法が報告されている(Lancet 1987 June; 13: 1331‐5)。重症患者のOGを構成する溶質の大部分は障害を受けた細胞から流出してきた中分子量物質と考えられており,OGは多臓器障害時には10を超え重症度の良い指標となる。OG =実測浸透圧−浸透圧計算値(または浸透圧予測値),浸透圧計算値(Osm/l)=Na(mEq/l)×1.86 + 血糖(mg/dl)÷18 + BUN(mg/dl)÷2.8,浸透圧予測値=浸透圧計算値÷血清水分量,血清水分量=99.1−(総蛋白×0.73)−(総脂質×1.03),総脂質={ PL(mg/dl)+ T-Cho(mg/dl)+ TG(mg/dl)}÷1000

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