日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

仰臥位低血圧症候群

SHSと略され,妊娠末期の妊婦や下腹部腹腔内腫瘤の患者が仰臥位になった際,妊娠子宮や腫瘤が脊柱の右側を上行する下大静脈を圧迫し,それにより右心房への静脈還流量が減少するため,心拍出量が減少し低血圧となるもの。多くの場合,妊娠末期の妊婦が帝王切開の準備のため腰椎麻酔をおこなった後に生じやすい。突然にショックとなり,頻脈,悪心・嘔吐,冷汗,顔面蒼白などの症状を呈する。対応としては,患者を仰臥位から左側臥位にし,右心系に血液が戻ってくるようにすることで,症状は速やかに回復する。

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