日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

活性炭

木材,各種木炭,石炭などの含炭素物質を,酸素,二酸化炭素,水蒸気などのガスや,塩化亜鉛,リン酸カルシウムなどの薬品を用いて,酸化や還元等の処置を施して賦活化させることで得られる,大部分が炭素質の炭のことをいい,強力な吸着力を有している。通常は,黒色の粉状あるいは粒状で,匂いはなく,水にもほとんど溶けない。経口薬物中毒の初期治療において,活性炭胃内投与は,吸収されていない消化管内の毒物を吸着し,腸粘膜からの体内吸収を阻害する目的で頻用されている。さらに,活性炭充填カラムを使用した血液浄化法は,重症中毒患者に対する血液吸着療法の一つとして広く臨床応用されている。カラム内の活性炭の表面にはカルボキシル基や水酸基などの活性基が存在し,様々な物質を吸着する。活性炭の分子量に対する吸着特性は,分子量100以上1万以下の物質の吸着率が高いことにあり,透析では除去しにくい尿毒素,肝不全,多臓器不全の原因物質,あるいは蛋白結合率の低い薬物の除去に用いられる。

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