日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

穿孔

消化管,尿管,心,血管,気管,気管支などの管腔臓器の壁に全層性の穴が開くこと,あるいは開いた状態をいう。消化管において穴があいた部位が隣接する組織,臓器により被覆された状態は穿通と呼んで区別する。腹腔内の消化管が穿孔すると消化管内容物が腹腔内に漏れ,穿孔性腹膜炎をおこす。穿孔の原因としては,外傷,潰瘍,炎症,虚血,壊死,解離などが挙げられるが,内因性疾患を原因とする場合は潰瘍の増悪が多く,胃穿孔や十二指腸穿孔がその代表といえる。外傷の場合には,圧挫,内圧上昇,虚血後の組織壊死などの機序で生じる。穿孔のほかに,破裂,離断という全層性損傷の形態があるが,連続性が保たれている損傷をその大きさにより穿孔,破裂,連続性が完全に断たれている損傷を離断としている。なお,穿孔した場合の治療は手術が基本となる。

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