日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

外傷重症度スコア(ISS)

1974年にBakerらが考案した多発外傷患者のための重症度評価法であり,Abbreviated Injury Scale(AIS)をもとに算出される。すなわち,損傷を頭頸部,顔面,胸部,腹部および骨盤内臓器,四肢および骨盤,体表の6部位に割り当てたうえで,各部位のAISスコアの最大値に注目し,上位3部位までのスコア最大値を自乗して足した値をISSと定義する。現在は1998年に改訂されたAIS-90 Update 98をもとに算出されている。ISSは複数箇所の損傷を解剖学的な面から評価した重症度スコアであり,死亡率とよく相関する。また,ISSは死亡率のほかに入院日数とも相関し,社会的に応用範囲の広い指標として評価されている。preventable trauma deathの客観的評価のためにChampionらが提唱したTRISS法においては,予測生存率算出の主要項目としてISSが用いられており,その応用範囲は近年益々拡がっている(J Trauma 1990; 30: 1356)。

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