日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

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覚醒剤の乱用を中止したにもかかわらず,幻覚や被害妄想などの中毒精神病の症状が自然再燃することをいう。覚醒剤は,統合失調症の発生機序に似て,中脳辺縁系のドパミン作動性神経のシナプス前終末からドパミン放出を促進することで興奮,過覚醒を得るほか,幻覚や被害妄想などの中毒精神病症状もおこす。乱用によって,幻覚や被害妄想の発現レベルに達すると,中毒精神病症状が発現するのは当然であるが,乱用を中止しても,飲酒や精神的ストレス,疲労などをきっかけとしてこれらの症状が自然再燃しうる。乱用直後におこることもあるし,乱用を中断して数年たってからおこることもある。幻覚や妄想に支配されて自傷や他害行為をおこなうことがあり,覚醒剤の乱用は大きな社会問題となっている。

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