日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

肺胸郭コンプライアンス

肺,胸郭にはたえず縮まろうとする性質(弾性)があり,コンプライアンスは弾性の逆数で表される。つまり,肺,胸郭の膨らみやすさ(コンプライアンス)は,ある圧(△P)をかけたときにどの程度容量(△V)が変化するかで表される(C=△V/△P)。肺コンプライアンス(Cl)はある時点の肺の容量を肺胞内圧と胸腔内圧(Ppl)の差で割って算出する。このときの肺胞内圧は気流をゼロにしたときの気道内圧,胸腔内圧は食道内圧(Pes)で代用する。胸郭コンプライアンス(Ccw)は筋弛緩剤を使用して筋を弛緩させて測定する。胸郭コンプライアンス(Ccw)は胸腔内圧と大気圧の差を△Pとし,そのときの換気量の変化(△V)を用いて算出する。肺胸郭コンプライアンス(Crs)は肺の容量を肺胞内圧と大気圧との差(一般的には気道のプラトー圧で代用)で割って算出する。人工呼吸器下で,呼気回路を遮断して気流を停止させたときのコンプライアンスを静肺コンプライアンス,吸気から呼気に移行するときの圧から求められるコンプライアンスを動肺コンプライアンスという。従って,動肺コンプライアンスには気道抵抗の因子が加わることになる。肺胸郭コンプライアンス(Crs)と肺コンプライアンス(Cl),胸郭コンプライアンス(Ccw)の関係は以下の式で表される。1/Crs=1/ Cl + 1/ Ccw

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