日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

後負荷

心臓の収縮時に心筋に加わる負荷量で,心拍数,前負荷,心筋収縮力などとともに心拍出量を規定する因子の一つである。後負荷は,末梢血管抵抗,大動脈弁狭窄,血液粘稠度,動脈の弾性,心室容積などで規定される。一回心拍出量は前負荷と心収縮力が大きく後負荷が小さいほど増加する。一回心拍出量への後負荷の影響は,心筋収縮力が低下しているほど大きくなる。後負荷の指標には,左心室の収縮末期圧や全血管抵抗(SVR)がある。全血管抵抗はとくに重要であり,肺動脈カテーテルを挿入して心拍出量を知ることにより,{(平均大動脈圧−平均中心静脈圧)÷心拍出量 } × 80 から算出できる。後負荷低下をともなう病態には敗血症性ショック初期のhyperdynamic stateやビタミンB1欠乏による衝心脚気などがある。また心不全の治療では後負荷の軽減が重要であり,大動脈バルーンパンピングや細動脈血管の拡張薬が使用される。

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