日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

免疫強化栄養

栄養組成(formula)を変化させることによって生体の免疫力増強や炎症反応の軽減を目的とする栄養管理法。通常の栄養に加えて,免疫増強作用をもつアルギニンやグルタミン,核酸,炎症反応軽減を目的としたω-3系脂肪酸などの成分を強化した栄養剤を投与する。欧米では1990年代中頃にアルギニン,核酸,ω-3系脂肪酸を強化した免疫増強経腸栄養剤(immune-enhancing diet, ImpactR)の大規模臨床試験がおこなわれ,外科術後患者や外傷患者の感染症発症率を減少させ,入院期間を短縮する効果があることが報告された。しかし,アルギニンは免疫賦活作用を持つ一方で,血管作動性メディエータの一つである一酸化窒素(NO)の前駆物質であることから,急性期の重症患者に用いることに関しては異論がある。最近わが国でも,免疫強化を意図した経腸栄養剤が数種類発売されている。

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