日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

持続的気道陽圧法

気道内圧を呼吸相全般にわたって大気圧よりも高く保ち,換気は機械的な換気補助なしに患者の自発呼吸にまかせておこなう換気様式のことをいう(日本呼吸器学会による)。自然呼吸とCPAPの違いは,気道内圧が自然呼吸では平圧(0cmH2O)を中心に陰圧と陽圧を繰り返しているのに対し,CPAPでは呼気終末の陽圧(PEEP)を中心に全呼吸相で陽圧を持続する点である。この結果,平均気道内圧,呼気終末肺胞圧を上昇させ,肺の酸素化能を改善させる効果を持つことになる。この換気様式の適応は,高濃度酸素でもPaO2が維持できない症例であるが,呼吸不全初期や人工呼吸器からの離脱過程でも使用される。また,呼気終末肺胞圧を上昇させることから,心不全時や術後の肺水腫などの治療・予防にも用いられる。最近必ずしも気管挿管を必要とせず,BiPAP(biphasic positive airway pressure)マスクを用いたNIPPV(非侵襲的陽圧換気)もおこなわれている。

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