侵襲にともなう臓器障害発症のメカニズムを説明した理論。Primary MODS（multiple organ dysfunction syndrome）は初回の過大な侵襲により直接MODSを生じるものであり，secondary MODSは，初回侵襲 （first attack）時はMODSに至らないが，2回目の侵襲（second attack）が加わることによってMODSを惹起するものをいう。two-hit theory（second attack theory）は，このsecondary MODSの発症機序を説明した説である。外傷，感染，手術などのfirst attackによりサイトカインが誘導され，それによって炎症局所以外の流血中の好中球がprimingされる。この段階では未だ臓器障害はきたさないが，このような状態に感染などのsecond attackが加わるとすでにprimingを受けていた好中球が活性化され（triggering），プロテアーゼや活性酸素を多量に産生し臓器障害を引きおこす。これを two-hit theoryという。