日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

強化インスリン療法

侵襲にともなう高血糖に対する,積極的インスリン投与による血糖管理法。敗血症ではストレスに対する急性相反応として,またカテコラミン投与やインスリン抵抗性の増大などにより高血糖になりやすい。van den Bergheらは,血糖値を80〜110mg/dlに管理することによって重症患者の予後が改善し得ることをRCTによって明らかにした(N Engl J Med 2001; 345: 1359)。しかし,インスリンの積極的な使用により低血糖をきたす恐れがあることから,Surviving Sepsis Campaign Guidelines (Crit Care Med 2004; 32: 858) では150 mg/dl未満に調節することが推奨されている。また実施にあたっては,導入時の低血糖を回避するために血糖値測定を30‐60分ごとにおこない,血糖値の安定した後には4時間ごとに繰り返すべきとされている。本療法に関しては,敗血症の死亡率を改善する要因が,高血糖の阻止であるのか,インスリン投与そのものにあるのか,あるいは十分な栄養とインスリンの積極的投与にあるのかなどについては明らかにされていない。

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