医学用語解説集
縦隔気腫
何らかの原因で縦隔に遊離ガスが存在する病態をいう。胸部エックス線撮影やCT検査で発見される。とくに大動脈弓の外縁で明瞭にみられることがある(spinnaker sail sign, angel wings sign)。原因としては食道損傷,気管気管支損傷,ガス産生菌感染症などがある。特発性のものもあり,自然気胸と同様に若年男性に多く,安静にて1週間前後で軽快する(特発性縦隔気腫)。聴診上,心収縮期に同期した捻髪音が聞かれる(Hamman's sign)。頸部の皮下気腫を合併した場合には,触診で頸部の握雪感(snowgrasping sense)を得ることがある。治療は原因によって異なるが,保存的に経過観察できるものから,緊急にドレナージや外科的治療を必要とする場合もある。