日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

敗血症

感染によって惹起された全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome: SIRS)。すなわち感染の存在に加え,SIRS項目(@体温>38℃または<36℃,A心拍数>90/分,B呼吸数>20/分またはPaCO2<32 torr,白血球数>1,2000,<4000/m3または未熟型白血球>10%)の2項目以上をみたす病態と定義される。従来は,血液中の菌体の存在(bacteremia)が強調されてきたが,この定義では必ずしも血液培養陽性を必要としない。敗血症のなかで,臓器障害,臓器灌流低下または低血圧を呈する状態を重症敗血症(severe sepsis)という。臓器灌流低下または灌流異常には,乳酸アシドーシス,乏尿,意識混濁などが含まれる。重症敗血症のなかで,十分な輸液負荷をおこなっても低血圧が持続するものを敗血症性ショック(septic shock)という(ACCP/SCCM Consensus Conference, 1992)。これらの病態にみられる循環不全は,交感神経系の機能失調あるいは好中球などから放出されるメディエータによっておこり,また臓器障害は組織酸素代謝失調(dysoxia)によっておこると考えられている。

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