日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

壊死性腸炎

一般的には新生児,とくに未熟児,低出生体重児に好発する腸管壊死性病変をいう。周産期および出生後のショックないし低酸素状態における腸間膜血行障害が原因と考えられている。男女比は1:2と女児に多く,90%が生後10日までに発症する。十二指腸を除く全腸管に発生しうるが,好発部位は回腸下部,盲腸,上行結腸である。初発症状は,腹部膨満,嘔吐,下痢,下血,不活発,発熱,低体温などであるが,急激な経過で腸管穿孔をおこすことが多い。単純X線写真で腸壁気腫像(pneumatosis intestinalis)や門脈内ガス像が見られることが多い。治療は禁乳,胃内容吸引,輸液,抗生剤などであるが,腸管穿孔は手術の絶対適応である。汎発性腹膜炎,敗血症,DICなどを高率に合併し,予後は不良である。

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