日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

減圧症

潜函作業や潜水作業などの高気圧環境から常圧環境へ戻る際に,血液中に窒素ガスの気泡が生じ,気泡塞栓や組織圧迫によって起きる障害。高圧下で生体組織内に溶解していた窒素が急速な減圧によって気泡を形成し,組織の圧迫や血流障害を生じるのみでなく凝固系や補体系の活性化,種々の液性因子の放出により,さまざまな症状や臓器障害を呈する。減圧症はその症状により,T型減圧症とU型減圧症に分類される。T型には,皮膚の掻痒,疼痛,発疹を呈する皮膚型と四肢の関節・筋肉痛などの筋肉関節型減圧症(ベンズ, bends)が含まれる。U型はより重症で,前胸部痛や呼吸困難,ショックなどを呈する呼吸循環器型減圧症(チョークス, chokes),重篤な運動麻痺や感覚障害などの中枢神経型,めまいや嘔気などの内耳前庭型などが含まれる。治療は高気圧酸素療法が主体となる。

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