日本救急医学会・医学用語解説集

ホーム > 医学用語解説集 > 索引 >

医学用語 解説集

急性呼吸促迫症候群

ショック,敗血症,大量輸血,重度外傷,ガス中毒,薬物中毒,溺水,急性膵炎,頭蓋内圧亢進,脂肪塞栓など,さまざまな原因で発生する急性呼吸不全。基本病態は,両肺のび漫性炎症性変化であり,その主体は全身性炎症反応によって活性化された好中球による肺組織傷害によると考えられている。診断基準は,「急性発症し,X線写真上両側びまん性の浸潤影を認め,PaO2/FIO2<200 (PEEPのレベルにかかわらず)の肺酸素化障害」であり,心不全に起因する肺水腫を除外する(PCWP ≦ 18 mmHg)必要がある。同様の基準でPaO2/FIO2<300を急性肺傷害 (acute lung injury; ALI)と定義する。原因によって重症肺炎や嚥下性肺炎などによる直接肺傷害(direct lung injury)と肺以外の原因による間接肺傷害(indirect lung injury)とに分類される(American-European Consensus Conference on ARDS. Am J Respi Crit Care Med 1994; 149: 818)。

索引に戻る トップページへ