日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

ホルネル(ホルナー)症候群

交感神経遠心路の障害によって生じる,中等度縮瞳,眼瞼下垂(眼裂狭小),眼球陥凹(眼球後退)を三大徴候(Horner’s triad)とする症候群。眼の徴候以外では,顔面の発汗低下と紅潮を特徴とする。交感神経遠心路には3つのニューロンがあり,そのいずれが障害されても,本症候群を発症する。交感神経遠心路は視床下部を発し脳幹,脊髄毛様脊髄中枢に至る(第1),ついで節前ニューロン(第2)は肺尖部を通り上行し,上頸部交感神経節で終わる。節後ニューロン(第3)は顔面の血管,発汗神経は外頸動脈に沿って走り,一方眼瞼,眼球へのそれは内頸動脈に沿って頭蓋内にもどり各効果器を支配する。第1ニューロン障害の代表例は,Wallenberg症候群,第2ニューロン障害は,直接の外傷,頸胸部リンパ腺腫大による圧迫,腫大した甲状腺の圧迫,頸部胸部動脈瘤,癌の転移,頸部膿瘍の圧迫,肺尖部肋膜癒着などにより生じる。第3ニューロン障害は,内頸動脈系の動脈瘤,閉塞などにより生じる。

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