日本救急医学会・医学用語解説集

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医学用語 解説集

急性相蛋白質

炎症の急性期に血中に増加する蛋白成分の総称。ヒトでは,CRP(C-reactive protein), SAA(serum amyloid A)が最も鋭敏に反応し,12時間以内に血中に増加する。次いで,フィブリノーゲン,ハプトグロビン,α1-アンチトリプシン,α1-アンチキモトリプシン,ASP(acid soluble glycoprotein)などが上昇し,やや遅れてセルロプラスミン,補体C3が上昇してくる。組織の損傷があるとマクロファージを中心に白血球の浸潤がおこり,サイトカインと総称される活性蛋白が産生される。インターロイキン1(interleukin1),インターロイキン6(interleukin 6),腫瘍壊死因子(TNF)はT-cellの活性化,発熱などの生物学的活性を有し,肝臓を刺激して急性相蛋白質を誘導する。急性相蛋白質の中で,臨床的に最も利用されているのがCRPであり,炎症,悪性腫瘍などの組織損傷をきたす疾患の有無,疾患の重症度,治療効果,予後の判定などに用いられる。

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