日本救急医学会・医学用語解説集

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アニオン・ギャップ

細胞外液中の陽イオンと陰イオンは等量存在し,陽イオンとしてNa+と測定されない陽イオン(unmeasured cations; UC),陰イオンとしてCl−,HCO3−と測定されない陰イオン(unmeasured anions; UA)からなる。血液中の陽イオン(カチオン)の総量と,陰イオン(アニオン)の差をアニオンギャップという(AG=UA−UC)。UCには,K+,Ca2+,Mg2+が含まれ約11mEq/lと一定であり,臨床的には,AGは,【 Na+−(Cl−+HCO3−)】の式で概算できる。正常値は12±2 mEq/lで,代謝性アシドーシスの原因を鑑別する指標となる。AGの増加は,血中に不揮発性酸(固定酸)が増加した代謝性アシドーシスの際に認められ,糖尿病性ケトアシドーシス,アルコール性ケトアシドーシス,乳酸アシドーシス,腎不全およびサリチル酸(アスピリン)中毒などがその代表である。AGが正常の代謝性アシドーシスは,重炭酸塩基(HCO3−)が体外に異常に失われた場合にみられ,尿細管性アシドーシスや下痢などがその代表である。この場合,HCO3−の喪失に対しCl−が代償性に同量増加するためAGは正常値を示す。

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