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「医師の働き方改革に関する追加提言」理事会見解

「医師の働き方改革に関する追加提言」 理事会見解

日本救急医学会 理事会
同 医師の働き方改革に関する特別委員会

 医師の働き方改革に関する検討会では、「勤務医の時間外労働時間の上限設定」についての議論が最終的な段階にきていると理解しています。日本救急医学会では、ルールを尊重しつつもより実効性の高い結論に至ることを期待し、この議論に対して先の中間報告に続き、理事会見解として「追加提言」をすることとしました。

追加提言に至るまでの議論は以下の通りです。

  • 勤務医への時間外労働時間の上限規制(一般則)の適応による地域の救急医療への影響を最小限にするため、この上限時間の設定緩和の議論が進められている。
  • しかしながら、緩和された「上限水準」が、救急医の労働時間の「上限義務」として誤認されることがあってはならない。さもなければ、過剰な上限時間設定はかえって救急医になろうとする医師達の忌避を招くことが危惧される。
  • 日本救急医学会としては、「病院に勤務する救急医の健康を守り、救急医を目指す医師が増える」ことを目指さなければならない。そのためには一般則を遵守した救急医の労働環境を達成することが、働き方改革の最終目標となる。
  • 一方で、その達成には、「タスクシフト*」や「タスクシェア**」、「社会の対応***」などの救急医の業務負担軽減が条件となる。しかしながら、一般則の適用猶予期間中(2024年4月まで)にそれらを達成することはまったく現実的ではない。
  • この状況で、一般則が適用されれば現状の救急医療ニーズに対応することは困難となることが予想される。結果的には患者が不利益を被る可能性が高く、それを容認するわけにもいかない。
  • 従って、救急医療体制を現状のまま維持するための現実的方策として、暫定的な「時間外労働時間の上限水準引き上げ」はやむを得ないと考える。
  • ただし、救急医の業務負担軽減策の実現が担保されることが必要であり、一般則適用の猶予期間を超えた、軽減策ごとの達成までの時間目標と数値目標が必要である。
  • 診療科ごとに労務内容や地域の医療ニーズは異なるため、平成31年1月11日の検討会で示された時間外労働規制案を一医療機関内で一律に決めることは適当でない。
  • 診療科ごとで時間外労働規制案を選択できるルールを作れないか。

  • * 救急救命士による医療機関内での救急医の業務支援などを想定。
    ** 全診療科横断の救急業務の分担などを想定。
    *** 救急医療需要の抑制策。例えば、年間の救急出動件数を20%抑制するなど。

     以上の議論を踏まえ、日本救急医学会としては「勤務医の時間外労働時間の上限設定」の議論に対して、次の提言をします。

日本救急医学会は、
  • 医療機関に勤務し地域の救急医療体制の維持と推進に貢献する医師の健康を守り、救急医を目指す医師が増えるための環境整備を目指し、一般則を遵守できる方策の実施に早急に取り組む。
  • 救急医療に携わる医師の業務負担軽減策が実効性を得るまでの間は、所属する医療機関の一般医師とかけ離れない範囲で、現状の救急医療体制を維持するに足る水準の時間外労働時間の上限引き上げが必要であることを容認する。
  • 時間外労働規制案は、地域や診療科の実情に合わせて規制時間内の中で医療機関が多様に準備し、一医療機関内でも診療科ごとに選択できる制度を提案する。
  • 業務負担軽減策達成には、一般則の適用猶予期間とは別に、軽減策ごとに具体的な達成目標と達成時期を設定することを提案する。
  • 国民の協力が必要な業務負担軽減策については、政府、日本医師会、日本救急医学会が一体となって推進することを要望する。


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