日本救急医学会・医学用語解説集

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乳酸アシドーシス

種々の原因によって血中乳酸値(正常値: 3.3-14.9mg/dl,今日の臨床検査’99.南江堂,東京,1999,p342)が上昇し,著しい代謝性アシドーシスをきたす病態をいう。原因としては以下に挙げる3つの病態が考えられる。第一には組織の低酸素状態から嫌気的解糖が進行し,乳酸が過剰に産生される病態が挙げられる。これは種々のショック,重症呼吸器疾患,DIC(播種性血管内凝固)などによって生じるものである。第二の病態としては,低酸素血症がなくてもミトコンドリアの異常により,嫌気性解糖が進行する病態が挙げられる。すなわち重症のインスリン分泌不全をともなう糖尿病,ミトコンドリア糖尿病,ビグアナイド薬で治療されている糖尿病などにより発生する。第三の病態としては,重症肝不全が挙げられる。また,エタノールによる糖新生異常の状態でも乳酸アシドーシスは発生する。治療としては,ショック,低酸素血症の改善が重要である。重炭酸はpH7.1以下の場合に使用する。肝性昏睡,アルコール中毒,大出血などの基礎疾患があるときは,これらに対する治療を優先する。

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