本プログラムは2006年9月23日に日本救急医学会ER検討特別委員会・後期研修プログラム検討小委員会(委員長 瀧野昌也)よりER検討特別委員会に提案され、第7回ER検討特別委員会(10月31日)で承認、さらに2007年2月19日の日本救急医学会理事会で承認され、日本救急医学会ホームページ内のER検討特別委員会ホームページに掲載された。
その後、ER検討特別委員会に会員から学術論文作成の際に引用可能な活字媒体にすることが必要との意見が寄せられ、2008年10月14日の第12回ER検討特別委員会で審議され、新たに委員会報告を行うこととなった。
プログラムの基本的性格 | プログラム施行施設の条件等 | 研修期間 | 研修方法 | 研修の目標 | ER専従期間中の教育 | ローテーション | 評価 | 研修スケジュールの例
本邦の救急医療の質を向上させるには、ERに専従して救急患者の診療にあたる専門医(以下、ER医)の養成が必要である。本プログラムは、本邦の救急診療に関わる研修病院が、ER医を育成する後期研修プログラムを作成するための資料となるものである。
初期臨床研修を修了した医師(卒後3年目)を原則とするが、卒後4年目以降であってもER医を目指す医師であれば対象に含める。
本プログラム修了時に、日本救急医学会救急科専門医認定の申請資格を有するものとする。
ER医は、重症度・年齢・性別および罹患臓器によらず、すべての救急患者の診療を行う。このため、ER医の育成には、指導者のもとにおけるER診療とともに、他部門へのローテーションによる臨床研修が必要である。この両者の研修によって、ER医に必要な知識と技術を修得する。修得の必要な領域に関して目標を設定し、後期研修医とプログラム責任者はその達成に努める。
以下に示す。各年度終了時までには年次目標に到達していることが望ましい。研修の進捗状況によっては、プログラム責任者の判断で目標よりも先に進んでよい。
多数の救急患者をトリアージしつつ同時進行で診療する能力を身につけること。
| 1年次 |
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|---|---|
| 2年次 |
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| 3年次 |
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| 4年次 |
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※監視下の診療とは、後期研修医の診療現場にER医が立ち会うこと、または後期研修医が患者を診察した直後に、ER医への症例提示を義務付けることを指す。報告を受けたER医は、自ら診察するのを原則とする。この期間は少なくとも3か月間必要である。それ以降は、個々の後期研修医の能力に応じてER医が適当と判断した時点で監視を解くが、疑問のある例、注意を要すると施設で定めた例、初めて経験する疾患ないし症候を有する例等については、積極的にER医の指導を受ける。
*二つ以上の症候の並列は、and/or の意味である。
*二つ以上の症候の並列は、and/or の意味である。
| (1)単純エックス線撮影 | 身体各部 |
|---|---|
| (2)CT | 脳(単純) 顔面(単純) 脊椎(単純) 胸部(単純、造影) 腹部(単純、造影) 骨盤(単純、造影) |
| (3)MRI | 脳(単純) 脊髄(単純) |
| (4)超音波検査 | 心臓および大血管 腹部 婦人科領域 |
| (5)12誘導心電図 | |
| (6)血液検査一般 | 血球計算 生化学 凝固機能 その他 |
| (7)血液ガス分析 | |
| (8)Co-oximeter による測定 | |
| (9)尿検査 | 一般 沈渣 |
| (10)細菌検査 | 血液培養 喀痰検査(結核菌検査を含む) その他 |
| (11)穿刺液の検査 | 髄液 関節液 その他 |
| (12)迅速診断キットによる感染症検査 | インフルエンザ 溶連菌 RSウイルス ロタウイルス その他 |
ER医を育成するためには、ERに専従し、ER医の指導下に診療を行うことが必須である。
カンファレンスを定期的に開催する。症例カンファレンス(死亡、誤診、合併症、連携不備やクレーム、教育的症例)のほかに、救急医学に関わる話題、EBM、研究紹介、他部署との合同カンファレンスなどを行い、後期研修医にも発表の機会を与える。
ER医は臨床教師とならざるを得ない。このため、後期研修医を積極的に教育業務に参加させることは重要である。ERでの学生、初期研修医、後期研修医(後輩)への教育、カンファレンスの運営、各種教育訓練コースへの参加、コメディカルや一般市民への教育などがある。
| フルタイム・ローテーション | パートタイム・ローテーション | |
|---|---|---|
| 1年次 |
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超音波検査 眼科 |
| 2年次 |
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画像診断 耳鼻咽喉科 |
| 3年次 |
|
超音波検査 |
| 4年次 |
|
超音波検査 |
注)平成18年9月現在の日本救急医学会専門医認定基準によれば、上記の研修修了後には、救急科専門医認定申請の要件のうち、救急専従歴に関する条件を満たす(初期臨床研修のうち3か月間を救急部門で研修し、かつ後期研修の各科ローテート中に週1回の救急当直または救急当番を行った場合)。