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第1回 ER後期研修プログラム検討小委員会

日時:平成18年3月18日(土)13時〜17時
場所:慶應義塾大学医学部新教育研究棟講堂3
文責:事務局・鈴木昌

堀委員長挨拶

瀧野委員(議長)挨拶

  • メーリングリストにおける議論を通じて後期研修プログラム作成に関する問題点が明らかになった。
  • 今回の会議では他科ローテイションについて議論を行う。

自己紹介

参加者全員の自己紹介を行った。

Key−Note Lecture(Dr. Smith, E ., UNC)

米国における救急医(Emergency Physician)成立の歴史的背景とプログラム開発

1960年代

  • ERはインターンやレジデントが診療し、上級医やバックアップ体制なし。
  • ERからED(emergency department)へ。
  • 救急に専従する医師の登場。
  • 1968年、ACEPの設立へ。

1960年代

  • 1970年、UAEMS (University Association for EMS)設立。
  • 初期メンバーは外科医。
    • 外傷や外科的処置が焦点
  • 1974年、EMRA (EM Resident’s Association)設立。
  • UAEMSおよびACEP
    • 質の高い教育、Board、residency program開発を目標にする。
    • 戦略
      • 救急医学のspecialtyの範囲を定義。
      • residency programにおけるカリキュラムのモデルを作成。
      • residency修了証(任意)の作成。
      • specialtyに関する筆記試験作成。
    • 1972年、Univ. of Cincinnatiで初のresidency training program
  • ABEM
    • 1977年ABEM(American Board of Medical Specialties)がreject。
    • 各領域19の学会代表者が協議
      • 救急医学のカリキュラムとして各領域において何ヶ月間の研修が必要かを積算すると、15年以上かかる。
    • 1979年、conjoint specialty boardとして認められた。
    • 1980年、最初の試験が実施された。
    • 1989年、UAEMSとSociety for Teachers in EMが合体し、SAEMが設立された。
    • 1989年、ABMSはABEMをfull primary boardとして認めた。

現在のUNCにおけるresidency programの紹介。

UNC residency programは1995年から。

  • Community hospitalとの提携program。
  • Residents shift (平均18shifts/month)
    1年目:
    18−9 shifts/month、
    給与:4.05万ドル
    監視下での診療、技術・手技のマスター・鑑別診断、EMのアプローチ
    Schedule
    OB/GYN 1 month
    General surgery 1 month
    Internal medicine 1 month
    CCU 1 month
    EM 6 months
    2年目:
    18shifts/month、
    給与:4.2万ドル
    複数の患者の同時診療、複雑な患者への対応。
    Schedule
    EM 7 months
    Trauma 1 month
    PICU 1 month
    SICU 1 month
    EMS 1 month
    Orthopedics 1 month
    3年目:
    17−8 shifts/month、
    給与:4.3万ドル
    独立して診療、教育への参加、最も困難な患者への対応。
    Schedule
    EM 10 months
    Elective 2 months
    Didactics
    • Weekly conference
      ED conference: 5 hours/week
      Facultyは講義2回/year
    • Oral board simulation 2/year
    • Educational activities
      学生指導
      Resident chiefがcoordinate
      2-3年目が指導
    • Research forum
    • CPC
    • Journal club
  • Mentor
    • 各々のresidentにはfaculty mentorがつく。
  • 評価
    Resident評価
    Facultyが毎月行なう。
    年に2回、residency directorがface-to-faceで評価。
    Faculty評価
    すべてのresidentがfacultyを評価し、directorを通じてフィードバック。
    Facultyは学生からも評価を受ける。

「回る科を決めるのか、診療技能とそれを習得する手段を決めるのか?」(木村委員)

  • 救急患者の病態の安定化を強調した。
  • 具体的な到達目標を明確にする必要がある。
  • 他科ローテイションでは研修方法の工夫も重要である。
合意事項
診療科に籍を置いたローテイションと、特定の診療技能習得を目的としてERでの研修期間中に行なうER外での研修を、修得すべき対象によって使い分ける。

「初期臨床研修との差別化は必要か?」(志賀委員)

  • Minimum requirementを明確にする必要がある。
  • 同じ診療科をローテイトするとしても、到達目標が初期臨床研修と後期臨床研修で異なるか否かを問う必要がある。
  • 後期臨床研修プログラムが統一されるべきか、裁量が認められるべきかが討議された。
合意事項
同じ病院での初期研修で、既に後期研修のminimum requirement を達成している場合には、本人の申告と書類上の証拠等を勘案した上、プログラム責任者の判断で後期研修における当該ローテイション等を省略してもよい(同じことを2度行なう無駄を避ける)。しかし、これはプログラムの一部にとどめ、プログラムの基本的な多くの部分は全ての後期研修医に共通とする(個々の事情による大きなバリエーションは認めない)。後期研修終了時の最終的な到達目標も均一とする。

「少数科を比較的長期にローテイトするのか、必要なすべての科を比較的短期間ローテイトするのか?」(本多委員)

  • じっくりと研修する科と幅広く研修する科を分けて効率的に研修する。
  • 救急医学会救急科専門医資格取得とプログラムとの整合性を図る必要がある。
合意事項
必要なすべての科の短期ローテイションに加え、入院治療や入院後の経過を理解するために、一般内科または一般外科のいずれかで6ヶ月間のローテイションを行なう。

「他科ローテイト中の研修方法の工夫」(太田委員)

  • ローテイションの目標設定と目標達成のための評価が必要である。
  • ローテイション受け入れ側の理解も不可欠である。
  • ER診療のために修得の望ましい手技一覧表と、小児科ローテイト研修評価シートを提示した。
合意事項
他科ローテイト中には、ER診療に有益な事項の修得に焦点を定めた研修方法の工夫が必要である。
ERからのコンサルトに対応する、ERからの入院患者の主治医となる等の工夫を行なう。
小児科、整形外科等は外来を中心に研修する。
具体的な到達目標を設定する。
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