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第11回ER検討特別委員会議事録

日時:2008年7月28日(月) 午後1時00分から4時30分まで
於:日本救急医学会事務所
出席者:
(敬称略・順不同)
委員長:
委員:
瀧、瀧野、太田、山田、箕輪、林、寺沢、山下、本多
Active member他:
川妻、木村、芳賀
事務局:
鈴木
計14名
配布資料:
  1. 第10回議事録(案)
  2. 第1回合同委員会議事録
  3. ER型救急医療の現状(山下論文・投稿中)
  4. 専門医制度資料
  5. 指導医制度資料
  6. 学会パンフレット「救急科専門医を目指す」
文責: 鈴木 昌

議題

1. 第10回議事録の確認

確認された。

2.「ER型救急医療と日本救急医学会の認定ルールなどに関する整合性の調整」について

  1. 合同委員会開催の経緯について: 委員長から以下の経緯が説明された。

    本邦では救急医数が圧倒的に少ない現状に鑑み、その増加を図る積極的施策が必要なこと、またER型救急医療を本邦の救急医療体制に組み入れるべきとの提言が2007年10月に将来計画委員会から理事会に提出された。また本年の指導医指定施設の更新に際し、地域救急医療に積極的に貢献しする複数の指導医指定施設が資格更新要件を満たさないため更新されない状況となり、該当施設から指導医認定委員会に指導医施設・認定資格の改善を求める意見が寄せられた。同委員会は資格認定を変更する権限を有さないため理事会に検討を要請する文書を提出した。以上から、理事会の指示に基づき、ER型救急医療と日本救急医学会の認定制度に関連する活動を行う日本救急医学会内の複数委員会を含めた合同委員会が開催され、総合的な検討を開始した。この問題の本質は「ER型救急医療と日本救急医学会の認定ルールなどに関する整合性の調整」であり、本委員会の活動に関わるものというべきである。合同委員会では、関連委員会が本件に関して個別に討議を進めて合同委員会に意見を提出し、さらに討議を進める方針となった。本件に関する本委員会の意見をまとめるため本会議を招集した。

  2. ER型救急医療モデルの本邦の救急医療体制(初期、二次、三次)における位置づけについて、あるいは将来像について: 参加者の意見は以下に集約された。
    • 1970年代に作成された本邦の救急医療体制(初期・二次・三次)には幾つかの限界があり、見直しが必要な時期と判断せざるを得ない。
    • 初期・二次・三次体制は病院前トリアージの適切性を前提とするが、特に急病では限界が大きい。また患者が自ら救急部門にアクセスする場合には、初期・二次・三次体制はきわめて分かりにくいシステムである。患者の視点に立ち、かつ診療の質を確保した救急医療体制の構築には、適切なER型救急医療の導入が効率的である。
    • 地域の救急医療の現状を見ると、多くの初期および二次救急医療機関は必ずしも積極的な診療機能を担っているとは言い難く、一部の二次救急医療機関と三次救急医療機関が責任を担うようになりつつある。すなわち救急医療機関の活動性の較差、患者の集約化、旧来の体制で多数の救急患者を診療する施設の疲弊、などが認められる。
    • これらの救急医療を積極的に担う多くの医療機関の殆どは、新研修医体制における教育研修病院の機能を担っており、臨床研修必修化に伴って救急医療研修が行われ、救急医療を支える人的資源の一部を担っている。
    • 診療と初期研修医への救急医学教育の両者を確保するために、ER型救急医療の実施が必要である。地域の積極的な二次、三次施設にERを整備し、地域のsafety netとする案を将来構想とすべきである。このsafety netを中核として、地域の医療機関が協力すれば、地域の救急医療の質は向上する。
    • ERを整備すべき対象として、救命救急センターを有する医療施設(209)、日本救急医学会専門医指定施設(419)、さらに教育研修病院(1100)を対象として機能的なERを整備することを提案する。
  3. 専門医受験資格とER型後期研修医プログラムとの整合性について:参加者の意見は以下に集約された。
    • 上記案の実施にはER型後期研修医の育成が重要である。
    • ER型救急医・後期研修モデルプログラム(HPに開示)は4年の研修期間を設定し、このうち2年間を救急医学専従期間、2年間を他科ローテイションによる研修期間と規定している。このため4年間を終了しても、現在の救急科専門医受験資格に求められる救急専従歴3年を満たさない状況となった。一方、研修期間を4年以上とすることは現実的ではなく、また他科ローテーション期間の短縮は教育の質の確保に関わる。この対策として、ER型後期研修医の研修プログラムに関しては「事前登録制」を採用し、ER型救急医になるための研修を受ける意思を登録した後期研修医には、他科ローテーション期間の5割を救急専従歴として認めるようにすることを提案する。
  4. 指導医申請資格とER型救急医療モデルとの整合性について:参加者の意見は以下に集約された。
    • ER型救急医療を含めて本邦の救急医療体制の整備を考えるならば、ER型救急医が救急医学の指導医となる道を積極的に開く必要がある。
    • ER型救急医が指導医となるための障害は、現在の指導医申請資格が手術経験を求めていることである。手術経験を有することはER型救急医にとって有用ではあるかもしれないが、その位置づけは必須ではなくオプションに過ぎない。したがって現在の申請資格から、手術経験の配点を減らすなどの対処が必要である。
  5. 施設認定資格(専門医指定施設、指導医指定施設)とER型救急医療モデルとの整合性について:参加者の意見は以下に集約された。
    • ER型救急医が指導医となり、その勤務する医療機関が指導医指定施設に認定される道を開くべきである。
    • ER型救急医療の実施に重点を置き、入院治療の主体を他科に委ねる施設も、病院全体が高い救急機能を果たしているなら救急医療への貢献は高いと評価しなくてはならない。
    • このような施設が指導医施設と認定されるための障害は、5床以上の救急専用ICUや救急部門への年間入院患者数300例以上など入院診療に関する条項である。
    • 入院診療以外の病院全体の救急機能にかかわる指標を評価する必要がある。この指標としてER機能の評価、すなわち、救急車搬入件数やER経由で他診療科に入院した患者数を含めることを提案する。
  6. 本委員会から合同委員会への情報発信について: 委員長から以下が説明された。

    本会議の議事録を作成し、各委員に回覧後、合意事項を基として合同委員会への提案をまとめたい。

以上
(文責: 鈴木 昌)
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